2026年8月04日

「腰痛だから湿布を貼っておきましょう」で終わっていませんか?
腰痛は、日本人の約8割が一生に一度は経験するといわれる非常に身近な症状です。仕事や家事、スポーツなど日常生活に大きな影響を及ぼし、多くの方が整形外科を受診されます。
しかし、診察を受けても
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「レントゲンでは異常ありません」
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「年齢相応ですね」
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「湿布を出しておきます」
と言われ、不安を感じた経験がある方も少なくありません。
実際には、「異常がない=痛みの原因がない」という意味ではありません。
腰痛は筋肉や靱帯、関節、椎間板など、さまざまな組織から起こります。そのため、どこが痛みの原因なのかを考えることが、改善への第一歩です。
この記事では、腰痛を5つのタイプに分け、それぞれの特徴やセルフチェック方法、整形外科での治療について分かりやすく解説します。
腰痛の約85%は「原因不明」ではありません
「腰痛の85%は原因不明」と耳にしたことがある方もいるかもしれません。
これは少し誤解されやすい表現です。
正しくは、
レントゲンやMRIで明らかな病気が確認できない腰痛が約85%を占める
という意味です。
これらは非特異的腰痛と呼ばれます。
一方で、
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腰椎椎間板ヘルニア
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腰部脊柱管狭窄症
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腰椎圧迫骨折
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感染症
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腫瘍
など原因がはっきりしている腰痛は特異的腰痛と呼ばれます。
非特異的腰痛であっても、筋肉・筋膜・仙腸関節・椎間関節など、痛みの発生源を診察で推定できることは少なくありません。
そのため、「原因不明だから治らない」と考える必要はありません。
あなたの腰痛はどのタイプ?
腰痛には大きく分けて5つのタイプがあります。

今回は最初の2つについて詳しく説明します。
タイプ1 筋・筋膜性腰痛(筋肉が原因の腰痛)
もっとも多い腰痛が、この筋・筋膜性腰痛です。
俗にいう「ぎっくり腰」の多くもこのタイプに含まれます。
長時間のデスクワークや重い荷物を持ち上げたとき、スポーツ後などに起こりやすい腰痛です。
筋肉や筋膜に繰り返し負担がかかることで炎症や過緊張が生じ、痛みを引き起こします。
このような症状はありませんか?
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腰より少し上が痛い
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前かがみになると痛い
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重い物を持って痛くなった
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朝より夕方の方が痛い
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数日~2週間ほどで改善してきた
これらに当てはまる場合は筋・筋膜性腰痛の可能性があります。
セルフチェック① ワンフィンガーテスト
おすすめしたいのがワンフィンガーテストです。
痛い場所を手のひら全体ではなく、
人差し指1本で指してみてください。
筋肉由来の腰痛では、
腰骨よりやや上の背中側をピンポイントで示せることが多くあります。
これは脊柱起立筋や胸腰筋膜などの痛みを反映している可能性があります。
セルフチェック② 前かがみで痛い?
前かがみになると痛みが強くなる場合は、筋肉が引き伸ばされることで症状が出ている可能性があります。
一方で、反らした時に痛い場合は別のタイプ(椎間関節性腰痛)の可能性もあるため注意が必要です。
整形外科ではどのような治療を行う?
筋・筋膜性腰痛では、
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消炎鎮痛薬(NSAIDs)・湿布や外用薬
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リハビリテーション・ストレッチ指導・姿勢改善
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必要に応じて、トリガーポイント注射
などを組み合わせて治療します。
以前は安静が勧められていましたが、現在の腰痛診療ガイドラインでは過度な安静は推奨されていません。
痛みの範囲で日常生活を維持し、無理のない範囲で体を動かすことが回復を早めると考えられています。
タイプ2 仙腸関節性腰痛
近年、注目されている腰痛が仙腸関節性腰痛です。
仙腸関節とは、骨盤を構成する仙骨と腸骨をつなぐ関節で、わずかしか動かない小さな関節です。
しかし、このわずかな動きが乱れるだけでも強い腰痛を引き起こすことがあります。
このような症状はありませんか?
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腰より少し下が痛い
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お尻の横が痛い
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寝返りで痛い
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長時間立っているとつらい
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片足立ちで痛みが出る
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階段で痛い
筋肉の腰痛とは異なり、骨盤周囲に痛みが集中するのが特徴です。
ワンフィンガーテストでチェック
仙腸関節性腰痛では、
腰骨より少し下、骨盤の後ろ側(上後腸骨棘付近)を人差し指1本で示せることが多くあります。
また、股関節を大きく動かしたときや寝返り、立ち上がりで痛みが強くなることも特徴です。
整形外科での治療
仙腸関節性腰痛では、
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骨盤周囲のリハビリ
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体幹トレーニング
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骨盤ベルト
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消炎鎮痛薬
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必要に応じて仙腸関節ブロック注射
などを組み合わせて治療します。
適切な診断と治療を受けることで改善が期待できます。
第1回のまとめ
腰痛は「腰が痛い」という症状だけでは原因を判断できません。
まずは、
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痛い場所
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どの動きで痛いか
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いつから続いているか
を確認することが、適切な診断につながります。
特に筋・筋膜性腰痛と仙腸関節性腰痛は、整形外科でよくみられる腰痛です。自己判断だけで済ませず、症状が続く場合や日常生活に支障がある場合は、整形外科を受診しましょう。
監修者情報
整形外科おおつかクリニック
院長 大塚 貴史
日本整形外科学会認定整形外科専門医。交通事故によるむち打ち症、頚椎・腰椎疾患、骨折、スポーツ外傷、リハビリテーションを専門に診療しています。
当院では、患者さま一人ひとりの症状を継続的に評価し、医学的根拠に基づいた治療を行うことで、早期回復と社会復帰をサポートしています。